去る6月27日(土)、千葉大学で開催されていた
日本古生物学会2009年年会・総会(6月26~28日)に行ってきました。
千葉大学、西千葉キャンパス。緑が多く、気持ちの良い散歩道といった趣。これまで、日本の大学にはあまり縁がなかったため、ただ構内を歩き回っているだけでも、何だか新鮮で面白いです。
今回は、主にポスター発表を中心にじっくり拝見(拝聴)してきたので、いくつかご紹介。
福井県立恐竜博物館の研究員、柴田正輝さんの「福井県の前期白亜系北谷層から発見された小型のイグアノドン類歯骨化石」についての報告。同じ北谷層からは、より大型のイグアノドン類「フクイサウルス
Fukuisaurus tetoriensis」が知られていますが…どうやら今回の歯骨(下顎)は、同種の亜成体や幼体ではなく、(現時点では)恐らく別種と思われるそうです。
東京大学の池田昌之さんと「美濃帯犬山山地域中部三畳系層状チャートの堆積リズムに見られたミランコビッチ・サイクルと放散虫化石群集の多様性変動」のポスター。膨大なデータを基に興味深い理論を展開しています。場合によっては、三畳紀の気候についての従来の「常識」を根底から覆してしまうかも…という、画期的な内容です。現時点では、理論の妥当性についてまでは自分は判断できませんが、今後の発展に期待大!
愛媛大学の河部壮一郎さんと、「鳥類における脳容量の推定方法と古生物への応用」。直接観察の出来ない古生物の研究では、このような「現生生物における観察(研究)手法の実践・確立→そこから古生物学への適用」というプロセスが定番かつ必要不可欠なわけですが…こちらの研究は、テーマが非常に明確かつデータ収集も多岐に渡り、しかもそれを効果的にわかりやすく視覚化した、大変完成度の高いポスターです。今総会のポスター賞も受賞されました。おめでとうございます!