昨日に引き続き、
佐賀県立宇宙科学館『海王展』レポートです。
昨日ご紹介したのは古生代の生物たちでしたが、ここからは爬虫類の時代「中生代」が始まります。写真は魚竜類のステノプテリギウス。

中生代の海で大繁栄したアンモナイト。模型の出来が素晴らしい!アンモナイトの復元では、間違ってオウムガイのような「蓋」や現生タコのような「吸盤」をつけてしまっているものが多いですが、この模型はその辺りも正確に再現されています。
大型クビナガ竜タラソメドン全身骨格。学名の_Thalassomedon_は日本語でズバリ「海の王」という意味ですので、まさに今回の『海王展』の顔といえる存在ですね。
クビナガ竜シリルアの全身骨格、実物化石です。比較的変形も少なく、全身が揃っている素晴らしい標本です!
同じくクビナガ竜のザラファサウラ、日本初公開の実物化石。クビナガ竜化石は大抵変形が酷いものなので、(多少修復されているとしても)この標本の保存状態には息をのみました。頭部形状や上下互い違いの歯、頸椎1本1本まで、特徴が非常にわかりやすいです。
クビナガ竜コーナーにはこんなパネルも…有名なネッシー写真について、骨格の構造から(敢えて)大真面目に検証しています(笑)。このように、所々に散りばめられた、遊び心溢れる解説も『海王展』の見どころです。
「首の短いクビナガ竜」プリオサウルスの巨大な頭骨。頭だけでも大迫力です!
ジュラシックワールドでも大活躍のモササウルス類。その中でも特に大型のプログナソドンの頭骨、1.5mほどあります。さすがに、「大きすぎる!」と評判の映画のモササウルスほどのサイズではありませんが、太い歯も相まってかなりの存在感です。
モササウルス類ティロサウルスの頭骨と、同館研究員・中谷さん作の模型。
非常に優れた保存状態のモササウルスの頭骨(何と佐賀県立宇宙科学の所蔵です!)。目の骨(鞏膜輪)も確認できます。事情により写真では鼻先が欠けていますが、ちゃんと頭部全体が揃っているとのことで、今後の本格的な調査・研究が楽しみですね。
所十三さん提供の海生爬虫類の歯各種。特にモササウルス類の歯の形態が想像以上に多彩でビックリ!短期間でいかに彼らが多様化していたかがわかります。上段中央の黒い巨大な歯はプリオサウルス。サイズ・形状ともにティラノサウルスに匹敵します!

『海王展』中生代エリア全景。今回は一部抜粋してご紹介しましたが、取り上げられなかった魅力的な展示がまだまだあります。見応えある標本をこれだけ集めてこられた担当の方には脱帽です。続く「新生代」はまた次の機会に!

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