引き続き、ティラノサウルスの組み立てです。今回作業にあたってくださったのは、ゴビサポートジャパンの皆さんです。ゴビサポートさんには、今回の
『恐竜展2』のために多数のモンゴル産の恐竜標本を提供していただいたほか、各施設・個人からお借りした標本の輸送もお願いしました。
まずは両側に足場を組んで骨盤を吊るし、後ろ脚を取り付けます。この骨格には余計な支柱や補助が一切なくて、なんと、この2本の後ろ脚だけで自立することになります。
基本となる「足腰」がしっかり安定したら、次は脊椎です。胴→尾1→首→尾2…と言うように、前後のバランスを取りながら交互に進めます。
画像で見ると簡単そうですが、ところどころにちょっとした難関があります。例えば、「頚肋骨(けいろっこつ)」と言って、爬虫類には首にも肋骨があるのですが(写真の
↑)、ご覧の通り大変細くて繊細な部分なので、細心の注意が必要です。
ブラックヒルズ地質学研究所(BHI)からも「ここが一番危ないよ!」と言われていたのですが、やはり作業中に1本ポッキリ行ってしまいました…(後ほど、ちゃんと修復されたので今は大丈夫です!)
勢い良く豪快に振り上げた尾も今回の骨格の見所ですが、その分、先端の方に行けば行くほど、尾の取り付けも一苦労です。
慎重に頭骨を取り付けます。
この日の作業はここで一旦終了。ポーズのせいか、この時点では何だかとてもアンバランスに見えます。本当にちゃんとバランスが取れるのか、少し不安もありましたが…
翌日、肋骨や前足、下あごなどの残りのパーツを取り付けて…
予定より時間がかかったものの、無事完成です!前日まで心配していたバランスの問題も、ちゃんと全ての骨を取り付けたら、不思議なくらいビシッ!と安定しました。生きていた時と同じように、本当に2本の脚で自立しています。さすがはBHI、素晴らしいお仕事です。ゴビサポートの皆様も、長時間の組み立て作業、本当にありがとうございました!
以上、ティラノサウルスの組み立てでした。来場された方々からも、組み立ての様子を見てみたかったとのお声がありましたので、駆け足ではありましたが、ご紹介させていただきました。次の更新では完成したティラノサウルス骨格をバッチリ特集したいと思います。
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『恐竜展2~肉食恐竜の世界~』 *クリックで拡大します
会期:2011年7月16日(土)-9月11日(日)
会場:佐賀県武雄市武雄町永島16351
佐賀県立宇宙科学館詳細:
『恐竜展2公式サイト』_______________________________________________